あの道はどこにつながっていくのだろう。かつて中目雪菜はそう思っていた。バスの窓から、電車の車窓から流れていく景色の中に、どこかに続いていく細い路地がある。その果てはどこにいくのだろうと思っていた。
それから10年、道というのは探すものになった。10歳下の弟のマイブームは道探しだそうだ。かつてあったはずの道の跡を探していくというものらしい。
「道ならあるじゃない、カートが走るやつ」
「そういう大きいのじゃない、昔、車が走ってたやつだよ」
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